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2016年7月〜12月まで、琉球新報連載エッセイ「落ち穂」にて、
当店のM子店長こと砂川真樹子が執筆しました。
第7回は2016年9月22日(木)掲載。

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島のおもてなし

ここ小さな宮古島でも、中国系の観光客の爆買いが話題だ。中国、台湾からのクルーズ船が島に寄港している。今年は国内からも合わせて100回の寄港を予定。大型バスを貸し切って薬品店、電機店、大型スーパーで日本製の商品を買い求めている。
港は中心市街地からわりと近く、運営するパーラーがある宮古島市公設市場にも散策しながら立ち寄る。店では観光案内のサービスを兼ねており、スマートフォンの翻訳アプリを利用し対応しているが、突然の要求に驚くことも。例えば、台湾からの観光客が「今から12人乗りのバスを借りてガイド付きで島内を3時間ほど観光できないか」と聞かれた時間が夕方近く。日本人の感覚なら大半が今から?前日に予約が必要では?と思うだろう。国が違えば価値観や考え方、常識も違うのだ。
私が島内のバス会社を電話で当たりながら、片言の英語で必死に身ぶり手ぶりでコミュニケーションを取っていると、全部の言葉が通じなくてもおおよそ察して理解してもらえたようだった。そのうち観光客らはくつろぎ始め、私の対応のお礼なのか喉が渇いたのか、お店のドリンクやアイスをどんどん注文していただいた。希望には応えられなかったがお店を出る時、一人ひとりが私の顔を見てあいさつされ、笑顔で見送ることができた。
ある時は、中国系の女性が、ヘルシーで安くて美味しい食事ができる飲食店を探している、と言う。漢字を書きながら何とか意思疎通をすると、その後も来店され「水着はどこで買えるか?」とか「この食材はどう使うの?」と尋ねる。相手が何を言わんとしているか、耳を傾けていると不思議と分かってくるものである。
日本人でも外国人でも、来島していただいたからには一期一会の素敵な時間を過ごしていただきたいと思う。外国語の標識や看板、情報誌、フリーWiFiの完備など取り組むべき課題は多々あるが、地元の人の触れ合いから島のことを知ってもらえる機会にもなる。
島らしいおもてなしとは何だろう。今一度、考えてみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【執筆者プロフィール】

砂川 真樹子(すながわ・まきこ)
1979年宮古島生まれ。
新聞記者をした後、島を離れ、雑誌ライターなどを経験。
宮古島市公設市場で夫婦で「385じま△ストア」を経営。

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《ネットショップはこちらから》

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⇒ http://www.rakuten.co.jp/385store/

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