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2016年7月〜12月まで、琉球新報連載エッセイ「落ち穂」にて、
当店のM子店長こと砂川真樹子が執筆しました。
第2回目は7月29日(金)掲載。

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宮古世(ミャークユー)は西へ

宮古本島から西へ位置する伊良部島。両島を結ぶ伊良部大橋が、2015年1月31日に開通した。長さは3540㍍。通行料金を徴収しない橋としては日本最長である。
全国的にもニュースになり、観光雑誌や車のCMなどにも取り上げられ、観光客も増加。旅行予約サイト楽天トラベルの「16年夏人気上昇の離島ランキングトップ10」に、伊良部島が6位、宮古島が10位にランクインした。昨年度の入域観光客数より7万人を上回り、初の40万人を超える勢いだ。
橋の頂上付近では、写真を撮る人の姿が見られる。開通する前はカーフェリーで海を渡っていたのが、今は海の上を走っているのだ。橋の上から、宮古ブルーと呼ばれる海を一望できる絶景は言葉にならないほど美しい。
島の海岸沿いはリゾート宿泊施設やカフェが建設され、畑や原野に「売り地」の看板が目立つ。地元の人が飲食店や民宿だった建物を売却しているとも聞くから、開通する前と比べ島の風景や経済事情が変わりつつあるようだ。地元の人も知らない観光名所もあり、若い女性が「三角点はどこですか?」とスマホ片手に探していた。海ガメが泳いでるスポットとのことだ。
伊良部の観光地の一つである下地島空港周辺の海の景観も感動的だ。空港は、国内唯一の民間パイロット訓練飛行場だったが撤退を受け、利活用に国際線や富裕層のプライベートジェット誘致などの高層が浮上している。
伊良部大橋の開通式典で、紋付き袴(はかま)と留め袖を身にまとい渡り初めした3世代の島民の姿を見て胸に込み上げるものがあった。要請から40年を経て念願の生活路線が完成したのだ。「宮古世(ミャークユー)」という言葉がある。貧困と格差にあえいだ人頭税の時代を乗り越え、河川はなく、台風、津波、干ばつを受けてきた厳しい自然環境の中、自らの手で明るい未来の世を信じて開拓した先人たちがいた。伊良部島も先人たちに続くよう宮古の先頭に立ち、新しい「宮古世」を切り開いていくに違いない。今、島の流れは西へと向かっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【執筆者プロフィール】

砂川 真樹子(すながわ・まきこ)
1979年宮古島生まれ。
新聞記者をした後、島を離れ、雑誌ライターなどを経験。
宮古島市公設市場で夫婦で「385じま△ストア」を経営。

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